Leica M2というカメラ

はじめに

今回はライカM2についての記事です。めちゃくちゃ長いです。暇な時に読んでください。

ある程度分かる人向けにはなってしまいますが、なるべくわかりやすく行こうとおもいます。本当は他のモデルの写真や内部構造の写真があるとわかりやすいのですが、他所から引張ってくるわけにもいかないので、許してください。

f:id:nekomochin:20181111011329j:plain

f:id:nekomochin:20181209032108j:plain

f:id:nekomochin:20181209032031j:plain

さて、先月のことではありますが、Leica M2を買いました。

今までは、Leica IIIa (製造番号的にはDIIIだか、1/1000sがあるもの。戦後の純正改造でつけられたものかも)というネジ込み式のスクリューマウントの、いわゆる「バルナックライカ」を使っていましたが、なんやかんやあって、M型デビューしました。

スクリューマウントのライカについての知識は多少ありますが、M型についてはあまりありません。

ぼくと一緒に勉強しよう!!

 そもそもM型ライカとは?

M型ライカやバルナックライカは、「距離計連動式カメラ(レンジファインダーカメラ)」という形式で、一眼レフとは違います。一眼レフが主流になる前は、この形式のカメラが主流でした。

f:id:nekomochin:20181209064638j:plain

頑張って書きました。雑です。

 

一眼レフというのは、レンズを通った光をミラーで反射(レフレックス)させた光をペンタプリズムでさらに反射させ、ファインダーまで届けます。

撮影時は、ミラーが上へ退避し、シャッター開いて、フィルムやセンサーに光があたります。それで写真をとっています。

 

レンジファインダーカメラは、ファインダーでみる像は、レンズを通った光ではないので、ファインダーでみた映像と、実際に撮影される映像は違います。(視差/パララックス)

なのでM型ライカにはそれを補正する機能がついています。(視差/パララックス補正)

 

ピントは、レンズのピントリングを回すとレンズが前後に動き、その動きを距離計連動コロというレバーのようなパーツで、距離計内部のひとつのレンズに伝えています。

その内部のレンズもコロの動きに合わせて、中で振れます。するとファインダーではものが2重にみえ、その2重の像が合致したところでピントがあうように作られています。

三角測量の原理で撮影対象との距離を測っています。(基線の長さとその両端の角度が分かれば、基線との距離が分かる)

ちなみに戦艦大和の距離計はこの基線が15mあるそうで。日本光学(現在のNikon)が製造しました。

f:id:nekomochin:20181209183105j:plain

 内部にみえる、銀色の円盤が距離計連動コロ。これをレンズ後端が押します。

f:id:nekomochin:20181209183111j:plain

これは遠距離にピントをあわせているときのレンズ後端

f:id:nekomochin:20181209183117j:plain

これは最短距離にピントを合わせているときの後端。遠距離のときよりレンズ後端が前に出ているのが分かると思います。

 

 

M型の話に戻りましょう。

M型ライカの最初のモデル、「Leica M3」は、1954年4月の西ドイツのケルンで開催された国際映像見本市「フォトキナ」で発表されました。

なぜ最初なのに「M3」で、1から始まらないのかといいますと、当時のカタログにはこの3を意味すると思われる、「3つのM」が書かれていました。

 

More Rapid(より速く)

More Convenient(より便利に)

More Reliable(より確実に)

flic.kr

イカM3ってのはこれです。

全体的に工芸品っぽい。装飾みがある。

 

それまでのバルナックライカとM型の違いは、

巻き上げがノブからレバーになったり、フィルム装填の方法が変わったりしていますが、一番大きいのは「ファインダー」と「マウント」でしょう。

まずはファインダー。バルナック型では、距離計のファインダーと、構図決定用のファインダーが別れていて、覗く窓がふたつ並んでいました。撮影するときには、距離計の窓を覗いて二重像をあわせ、構図決定用のファインダーを覗いて撮影します。

これがM型になると、それらがひとつに統合され、ひとつの窓を覗けば構図決定用のフレームと、ピントを合わせるための二重像エリアがみえるものになりました。

 

次にマウント。バルナック型はスクリューマウントといって、マウントにねじが切ってあって、それにレンズをくるくるまわしてつける、というものでしたが、M型はよりスピーディにレンズの脱着ができる、バヨネット式になりました。

今のカメラはバヨネット式です。ツメがついていて、レンズを隙間から挿してくるっとまわすと(M型の場合は30°ほど)カチっという音がして固定されます。

マウント形状は、スクリューマウントは内径39mmのネジピッチ1/26インチ、フランジバック28.8mmです。そのためL39マウントとも呼ばれます。M型のバヨネットマウントは、内径44mmのフランジバック27.8mmです。

 

フランジバックってのは、マウント面からフィルム・センサーまでの距離のことです。

この場合、スクリューマウント用のレンズは有効厚さ1mmのアダプターを使うことでM型カメラにもつかえますが、逆は無理です。

ちなみに一眼レフの場合は、ミラーがあるため距離が長く、PENTAX Kマウントでいいますと、45.5mmです。

原則として、フランジバックの長いボディ用につくられたレンズは、その距離を稼ぐアダプターを噛ませればフランジバックの短いボディでも使えますが、

フランジバックの短いボディ用に作られたレンズは、フランジバックの長いボディには使えません。(使えたとしても、ごく近距離しか写らず、無限遠がでない)

 

ミラーレスの人気の理由のひとつに、これがあると思います。古今東西、色んなメーカーのレンズが使える。

 M2というモデル

さて、長い前置きでしたがやっと本題です。

M2というのはM3の廉価普及版として企画されたモデルです。しかし単なるスペックダウンモデルというわけではなく、より合理的な構造が模索され、

その結果ファインダー機構の貼り合わせ面やパーツの数を減らし、斜めに光路を導いて倍率を0.7倍程度に下げる事で、広角35mm用フレームを組み込んだ新しいファインダーシステムが完成し、後にこれがライカのスタンダードとなります。

1957年から1968年までにおよそ85000台ほど生産され、M4登場後の1969年から1970年に約2000台のM2-Rが生産されています。

それらほとんどはクロームモデル(シルバー)ですが、約2000台のブラックペイントと、わずか20台の西ドイツ空軍用グレーペイントが存在します。

イカにおける商品コードはKOOHE。新コードは10835M。

ちなみにM3の商品コードはIGEMO(ボディのみ)新コードは10680Eです。

 

LEICA M2 SPEC
製造期間 1957-1968年 (M2-R=1969-1970)
マウント イカM バヨネット
ファインダー倍率 0.75
ブライトフレーム表示 35/50/90mm
距離計基線長 68.5mm
有効基線長 51.4mm
シャッタースピード B・1・1/2・1/4・1/8・1/15・1/30・1/60・1/125
1/250・1/500・1/1000
シャッター形式 機械式横走布幕フォーカルプレーンシャッター
シンクロ接点 X/FP
露出計 なし
フィルム装填 スプール取り出し式
フィルム巻き上げ 1回操作式レバー(予備角約25°,巻き上げ角約115°)
フィルム巻き戻し 引き上げ式ノブ
フィルムカウンター 手動復元式
セルフタイマー 初期:なし/後期:内蔵
外寸 138W×77H×33.5D mm
重量 約560g (ボディのみ)

 

スペックを表にまとめました。

 ライカM2の派生

まずM2の立ち位置ですが、このようになっております。

 

f:id:nekomochin:20181216011841j:plain

つぎに、M2にもいろいろ派生モデルがありまして、それがこんなかんじ。

f:id:nekomochin:20181216011857j:plain

青が直系、ピンク点線が派生モデルとなっております。

M3の直系でありながら、MPの派生でもあります。

MPというのは、M3に「Leicavit」と呼ばれる迅速巻き上げ装置がつけられるようになったモデルです。もともとライカビットは、バルナック型ライカの時代からあったアクセサリーです。

バルナック型は巻き上げがノブをまわしていくタイプで、M型より遅いので意味のあるアクセサリーでした。

がしかし、M型はレバー式で、巻き上げがかなり早くなったので、ライカビットによる巻き上げのスピードアップの恩恵は薄いかと思われます。

ま、当時の著名な写真家からの要望で作ったが、重量増加と大型化のわりに恩恵が薄いので、やはりあまり売れなかった...。みたいな話だったと思います。

f:id:nekomochin:20181209032155j:plain

えーみえますかね。穴の奥の棒。

これはM2,MP,以降のモデルの巻き上げレバーの下にある軸ですが、M3はこれが短かったんです。

しかし、MP以降は底蓋につけるライカビットと連動するために、延長されています。

 

あとは、距離計のないM1へ、ファインダーすらないMDへ、モータードライブを装備できるM2-M、ラピッドローディングシステム(スプール取り出し式ではなくなり、現代的なフィルムカメラのように、溝にフィルムをさしこんでまわすだけ)のあるM2-Rへと、いろいろ派生しています。

M2-Rの下に書いてある、KS15-4というのは、M2-Rなんだけど、刻印はM2としか書かれていないモデルです。

もとは米軍からの発注で1966年に3つのロットにまたがって、876台が製造されましたが、米軍からキャンセルが入ってしまったモデルを指します。

なぜ米軍が発注をキャンセルしたかは謎ですが、恐らく一眼レフへの移行が原因と言われてたりします。わかりません。

 巻き上げ・巻き戻し、シャッター。

まず、シャッターは、機械式横走布幕フォーカルプレーンシャッター という形式です。電気を使わず、バネや歯車で駆動させています。そのため、シャッターを切る前は、シャッターをチャージ(同時にフィルム巻き上げ)を、上部のレバーで行う必要があります。

M3の初期は巻き上げレバーを2回にわけて行う、通称ダブルストローク式がありましたが、M2は1回巻き上げ(シングルストローク)です。

巻き上げに要する角度は、予備角25度(レバー格納状態から、巻き上げ開始位置まで)

f:id:nekomochin:20181216011935j:plain

巻き上げに必要な角度は115度です。

f:id:nekomochin:20181216011910j:plain

これらの角度はモデルによって違い、例えばM4は予備角30度巻き上げ角135度となっています。

よく、ライカの巻き上げは滑らかだ、と言われているので、国産機(ASAHI PENTAXの一眼レフ)と比べてみましたが、たしかにスムーズ(特に巻き上げ開始時)で、国産機は巻き上げが完了すると、レバーが突然動かなくなるような手ごたえであるのに対し、

イカは最後にカクンとした感触があります。あとはラチェットの音が静かだったりする。(音に関しては個体差や整備の有無によるのでなんともいえない)

これが気持ちいい。

 

巻き戻し

 

巻き戻しについては、Rレバーを横に倒してから行います。スプロケットギアのロックが解除される。

巻き戻しはクランク方式ではなく、ノブ式です。

当時のライツ社が「迅速なフィルム巻き戻しによって発生する静電気からフィルムを守るためにクランクではなくノブ式を採用した」なんて言い訳をしたとかしなかったとかですが、次のM4からはあっさりとクランク式に切り替わっています。

f:id:nekomochin:20181209032230j:plain

 これがRレバー。M2のRレバーはM3初期のものより2mmほど短くなっています。

初期のM2は、これがレバーではなくボタンでした。

さらに初期のモデルは、巻き戻し中もずっとRボタンを押し続けなければならないという苦行つき。

その後、1度押すだけであとはそのまま巻き戻せるボタンに変更され、誤動作防止の保護リングもつきました。

後期型ではこれがレバーに変更されました。

 

フィルムカウンター

 

M3のフィルムカウンターは、フィルムを装填するときに使うスプールを抜くと自動で元に戻る自動復元式でしたが、M2ではその機構は省略され、手動式になっています。

いちいち手でカチカチまわして0にあわせないといけない。あとはフィルムを巻き上げると自動で1ずつ進んでいく。

時計の文字盤みたいでかっこいい。

ちなみに初期のM2のフィルムカウンターは、クリック感がなく、両方向にスルスルと回る形式だったので、指が当たったり、カバンから出し入れしてるとカウンターが勝手に回ってしまい残り枚数がわからなくなるということがありましたが、

のちに順算方向にしか回転せず、クリック感が追加されたラチェット式に切り替わります。見た目の違いはありません。

f:id:nekomochin:20181209032218j:plain

 

シャッターについて

横走フォーカルプレーンシャッターというのは、先幕と後幕の二枚のシャッター幕と、それらを巻き取るドラムで構成されていて、

撮影前は先幕がレンズから入ってくる光をフィルム手前で遮光、シャッターボタンを押すと先幕が巻き取られてフィルムに光があたり、決められた間隔を置いて、後幕が後を追いかけて遮光する、という仕組みです。

この時間差がシャッタースピードというやつ。

シャッタースピードは、M3初期の国際系列(B,1,1/2,1/5,1/10,1/25,1/50,1/100,1/250,/1/500,1/1000)から、倍数系列(B,1,1/2,1/4,1/8,1/15,1/30,1/60,1/125,1/250,1/500,1/1000)へ変更。

シャッターダイヤルはM3と同じ一軸不動ダイヤル。

ちなみにバルナック型は二軸回転ダイヤル。フィルムを巻き上げるとシャッターダイヤルも一緒に回転。巻き上げてからシャッターダイヤルを合わせる。

 

f:id:nekomochin:20181217171533j:plain

f:id:nekomochin:20181217171537j:plain

現代の一眼レフカメラはストロボ同調速度が速い縦走式のシャッターが主流ですが、M型は横走。

 

一眼レフではシャッター幕が開く直前はミラーが完全に上に退避してないといけませんが、

M型ライカにはミラーがないので、シャッターボタンを押してから露光が開始されるまでのタイムラグが短いことと、ミラーがバタバタと動くときの音がないのでシャッター音が非常に静かであること、ミラーによる衝撃(ミラーショック)がないのでブレが少ないことがメリットです。

あとは整備とか調整がしやすいとか。

 M2のファインダー

M3の前のモデルにして最初のM型ライカであるM3と、M2との一番の違いは、ファインダーです。

「M2というモデル」の部分で書いた通り、「ファインダー機構の貼り合わせ面やパーツの数を減らし、斜めに光路を導いて倍率を0.7倍程度に下げる事で、広角35mm用フレームを組み込んだ新しいファインダーシステム」が導入されています。

M3のファインダー倍率は0.91倍とほぼ等倍のファインダーで、標準である50mmレンズ、90mmレンズ、135mmレンズを使用した際の撮影枠がブライトフレームとして表示されます。

50mmという画角は、人間の目に近いといわれていますが、僕の体感としては、近・中距離における人間の意識が集中する画角、です。

実際撮影につかうと、すこし望遠寄りであることが感じられるかと思います。

M2になって、ファインダー倍率が0.75倍になり、35mmと広角レンズの画角が使えるようになったことで、当時の報道カメラマンには受けが良かったとか。

道楽のM3、実戦のM2といったところ。

 

上述のファインダーのパーツの数や、斜めになった光路とやらを、ファインダー構成図でみていきましょう。

f:id:nekomochin:20181209055351j:plain

まずこれがM3のファインダー。光を直線的にまげていますね。


左の窓がメインで、真ん中の窓から明かりを取り込み、マスク(図中央破線2本部分)を通してファインダーに画角をしめすフレームを表示。右の窓からも光を取り込み、二重像として表示。

レンズのピントリングをまわすと距離計コロが動き、それに連動して、右側にひとつ浮いている(M3の文字の上あたり)レンズが動いて、二重像を動かします。

 

f:id:nekomochin:20181209055343j:plain

続いてM2。確かにパーツや貼り合わせ面がへって、光路が斜めであることがわかりますね。真ん中の明かりとりの窓にギザギザがついています。採光を効率よく行えるとかなんとか。

 

f:id:nekomochin:20181209055401j:plain

これはM6のファインダー。M2のファインダーが後のモデルに受け継がれてるのがわかりますね。

f:id:nekomochin:20181217214731g:plain

ちなみにファインダーを覗くとこんな感じにみえます。

35mm、50mm、90mmの順でフレームを表示しています。

フレームセレクターレバーをかちかち動かすと本当にこんな感じにみえます。

フレームはレンズをつけると、自動的に切り替わります。

フレームが一度に1つしか表示されないので、シンプルで見やすい。

真ん中の黄色っぽい四角の部分が、二重像が見えるエリア。

ここをつかってピントをあわせます。

f:id:nekomochin:20181216011842p:plain

そのピントを合わせるエリアは、ただの長方形ではなく、上と下にノッチがついています。

これは被写界深度を示すもので、上がF16,下がF5.6用のものです。

上側ノッチは「F16ならこのノッチの幅に二重像のブレが収まっている範囲のものがピントが合って写りますよ」というもので、

下側は「F5.6ならこのノッチの幅に二重像のブレが収まっている範囲のものがピントが合って写りますよ」というものです。

 

オマケ。

f:id:nekomochin:20181209055415j:plain

f:id:nekomochin:20181209055344j:plain

Zeiss Ikon(2005)とBESSA-Rのファインダー構成図です。

 LEICA M2の世代差

M2総台約87500台のうち、最初期型は約0.2%、初期型(Rボタン)は約23%、後期型は約76%あります。

まずは、最初期、初期、後期と大きく3つにわけた世代について、おおまかな特徴をみていきましょう。

 

最初期

1957年に製造された最初の1ロット200台のみ存在。採光窓にギザがなく、M3のようにツルンとした擦りガラス。Rボタンの周囲には誤動作防止リングがなく、巻き戻し時は押しっぱなしにする必要がある。

 

初期

2番目のロット(1958年)以降は、採光窓の内側に13条のギザギザがついた。(通称内ギザ)

Rボタン周りにリングがついた。セルフタイマーあり、なしは混在。

 

後期

採光窓のギザが外側になり、7条になった。(通称外ギザ)

RボタンからRレバーへ。セルフタイマーは1960年代後半から標準装備となるが、混在。

 

 

M2製造番号表。赤文字アルファベットについては後述。

1957 926001-926200   A 1961 1017501-1017900  
1958 929001-931000       1017901-1018000 ELC
  931001-933000       1018001-1020100  
  935513-937500       1020101-1020200 ELC
  937501-937620       1020201-1022000  
  937621-937650 ELC     1028601-1031800  
  937651-940000       1031801-1032000 BP
  940001-942900       1036001-1036050 ELC
  942901-943000 ELC   1962 1037951-1038000 ELC
  944001-946000       1043001-1043800  
  946001-946300       1043801-1044000 BP
  946301-946400 ELC     1048001-1050000  
  946401-946900       1050501-1053100  
  946901-947000 ELC     1053101-1053250 BP
  947001-948000       1053251-1054900  
  948501-948600 ELC     1054901-1055000 ELC
  948601-949100 BP     1060501-1061700  
  949101-949400 Self B   1061701-1061800 ELC
1959 949401-950000       1061801-1063000  
  959501-960200 Self C 1963 1068001-1070000  
1960 960201-960500       1074501-1077000  
1959 960501-961500       1085501-1088000  
  967501-968350     1964 1091301-1093500  
  970001-971500   D   1093501-1093750 BP
  975001-975800       1093751-1093800 ELC
1960 975801-976100 Self     1098301-1099800  
1959 976101-976500       1099801-1099900 ELC
1960 982001-982900 Self     1099901-1100000  
1959 982151-982900     1965 1103001-1104900  
  982901-983500 Self     1104901-1105000 ELC
  983501-984000       1107001-1109000  
1960 987201-987300 ELC     1112001-1114975  
  988351-988650       1130001-1130300 BP
  988651-989250 Self     1130301-1132900  
  989251-989650 Self     1132901-1133000 ELC
  989651-989800     1966 1137001-1138900  
  989801-990500 Self     1138901-1139000 ELC
  990501-990750 BP     1142001-1145000  
  993751-995000       1161421-1163770  
  995001-995100 ELC     1163771-1164046 M2-M
  995101-995400 Self     1164047-1164845  
  995401-996000     1967 1164941-1165000  
  1004001-1005100 Self E 1968 1207000 BP
  1005101-1005350 Self   1969/1970 1248201-1250200  
  1005351-1005450 ELC          
  1005451-1005750     ELC エルンスト・ライツ・カナダ社製造
  1005751-1005770 Gray   BP ブラックペイント
  1005771-1007000     Self セルフタイマー装備
  1011001-1014000     Gray 西ドイツ空軍用グレーペイント
        M2-M モータードライブ装備
        M2-R ラピッドローディングシステム装備
               

こんな感じ。ぼくのは960458なので、1960年製セルフなしであることが確認できますね。

さて、赤文字のアルファベットについてですが、これは変更があったところを示しています。順番に紹介していきましょう。

 

点A(1957)

これがさっき言った最初期型のロットです。Rボタンリングなしの押しっぱなし方式、採光窓がM3と同じ擦りガラス。

この次のロットからボタン回りにリングがつき、透明なプレートの内側に13条の縦溝がついたフレネルレンズを組み込んだ内ギザタイプになります。材質はプラスチック。

 

点B(1958)

949101-949400の米国向けロットで、M3にあったセルフタイマーが復活した。

カタログではセルフタイマーつきを「M2S」、なしを「M2X」と区別していた時代があった。

 

点C(1959)

959501からは採光窓のギザが外側7条に変更。プレートがなくなった。以降すべてこのタイプ。

 

点D(1959)

970260以降、RボタンからM3後期と同じ短いRレバーへ。

 

点E(1960)

1004151以降全てセルフタイマーつきに。

セルフタイマーは180度まわすと約10秒、90度だと約5秒です。

 

はっきりしている変更点はこんな感じです。

切り替え時期が不明な変更点もあって、それは以下のとおり。

 

フィルム感度インジケーター

f:id:nekomochin:20181111012216j:plain

背面の真ん中の丸いぶぶんのことです。これは別にセットしたからといって何かに連動しているわけではなく、「なんのフィルムが入っているか思い出すためのメモ」です。

写真の状態だと。デーライトフィルムのASA感度400がはいっていますよという表示。

これが、1960年ごろから、目盛りが1000までだったのが、1300までに変更されます、M3と同時期とおもわれる。

 

フィルムカウンター

上の方で書きましたね。ラチェットにより回転方向が順算方向のみになり、クリック感の追加。

 

ファインダー接眼窓のマスキング

ファインダーを覗いたときのこの四角の枠の形が変わっています。

M3初期は円形でしたが、M2初期では実測約8mm×5.5mm、M2後期では9mm×6mm。

 

f:id:nekomochin:20181216011904j:plain

 

 最後に

やっと終わりを迎えました。本当は使用感とか、作例とか載せたかったんですが、私の体力、気力の問題と、時間は有限ということで、そちらはまたいつか。

なるべくわかりやすいようにしたつもりなんですけど、何日かに小分けして書いているため、内容の重複があったり、順番が読みにくかったり、誤字脱字、その他文章がヘタクソ等あるかと思いますが、すみません。駆け足になってしまいました。

最後までよんでいただいたあなた。

少しは面白かったですかね...。私は面白いと思います。バックグラウンドというか、その時代のニーズとか情勢とか、背景の歴史を知ることは、趣味をよりいっそう面白くします。

世界で生きる事はつらいし、意味がわからないし、拳銃で武装したり、ライフルを抱えて行動しないと狂気に陥りそうな瞬間は多々ありますが、趣味から得るエネルギーや信仰で生きていきましょう。

お疲れ様でした。

 

 

 

 Summi5cm